しがさかのブログ

関越・羽越ウォーク(神奈川県〜秋田県)の記録など

カムイ・カイコウ(2)

列車はどこかの駅に止まったようだ。外を見て駅名標を探すが見つからない。時計を見ると18時21分。札幌まではまだ1時間近くある。

 

僕は旭川に住む大学生。札幌に住んでいる高校同期が就職で大阪に引っ越すというので、今日はそいつとすすきので飲むことにしていた。アルバイトを終わらせて旭川18時ちょうど発のスーパーカムイに乗車。乗務員室のすぐ後ろまで行くと列車の前方が見えることに気づき、そのまま前面展望を楽しむ。駅を2つ通過してトンネルに入ったところまでは記憶があるのだが、その後寝落ちしたのだろう。目が覚めるとどこかの駅に停車中というのがこれまでの流れだ。

 

札幌までまだ時間があるのでまた寝ようかと思ったそのとき、周りの様子に違和感を覚えた。車両が旭川で乗ったときと変わっている? 壁、床、照明、座席など、全体的に古臭い。公園や資料館で時々見る保存車のような感じだ。この列車からだろうか、近くから旭川駅では聞かなかった音が聞こえるし、少し煙のような匂いもする。

 

ところで、この列車はいつ発車するのだろう? 特急列車も途中駅で長時間停車することがあるのだろうか? ホームに発車標は見当たらない。誰かに聞こうと思ったが自分の席から見える範囲には人もいないようだ。

 

列車から降りれば時刻表を見たり駅員に聞いたりできるのかもしれないが(そうでなくてもここで降りた方がよい気もする、何となくだけど)、その間に列車が発車して札幌への到着が遅れるとまずいと思い、車内で待つことにした。